コンテンツへスキップ

西諸ブロック研修会のご報告

平成30年10月20日(土)、西諸ブロック研修会が、活きがい発電所 えびのにて開催されました。
「25年以上のOT戦士が教える 入院中にOTにやってほしいこと」と題して、相愛苑より毛上裕司先生、活きがい発電所 えびのより有村正弘先生のご講演でした。
内容としては、OTが、退院後に自宅で生活される患者様に対して、入院中に行うべき事、また、OTとして考える視点について、具体的に分かりやすくご講話いただきました。
ご講演を聞いて心に響いた箇所を以下にまとめさせていただきます。
障害を持った患者様が、今まで出来ていた当たり前の「生活」、そして「楽しみ」を諦めていたら、様々なアプローチを行う事で「諦めない方法」を一緒に探すのがOTの仕事である、という事。
患者様にとって、出来ない事や危険な事は入院中にはさせないが、自宅に帰れば危険がいっぱいである。「家に帰ったら転倒するもの」と考えて、転んだ時の練習をしてほしい、というお話も心に残りました。確かに、入院中は転倒受傷を防ぐ為にお世話をする事ばかりに気を取られてしまっています。「転ばぬ先の杖」ばかりではなく「転んだらどう動くか」の対応を考える事で、患者様に必要な生活へのアプローチが見えてくるのではないかと感じました。
現在、私は地域医療連携室にて勤務をしておりますが、今回の研修会に参加し、サービス内容計画の際に、「転ばぬ先の杖」ばかりにとらわれてしまっていた事に気付きました。患者様が転ばないように、怪我しないようにと、考えるあまり、「過介助な支援になっていませんか?」の問いにドキッとさせられました。入浴が出来ないから、食事が作れないから通所サービス利用、という安易な考えでのサービス導入ではなく、大事なのは通所に来ない日を「どう過ごすか」の為の自立支援が必要だという事を考えさせられました。
作業を行う時には次につながる、「意味のある作業」にする事。患者様がただやりたい活動をするだけではなく、どこをアプローチしたら作業が「生活」に活かされるのかを考えて作業療法を実施したいと思いました。
患者さんの現状をよく知り、明確な予後予測を立てられる事が、引き算の支援につながり、意味のある作業活動につながるのではないか思いました。また、自分の今までの仕事内容を振り返り、反省すべき点、やるべき事が明確となった研修会でした。
今後も、OTとしてどうありたいかを考え、意識を高く持つ事で、後輩にTTP(徹底的にパクる)したいと思われる存在になれるよう日々自己研鑽に励みたいです。

医療法人 東陽会 整形外科 前原病院
作業療法士 下村 美知代

先頭へ