あらすじと解説
雨の中、二本の傘を握りしめて家を飛び出す裕之。家族の懸命な捜索の中、握った傘をさすこともなく、ずぶ濡れになり警察に保護されていました。「もう人に迷惑かけないで!」思わず大きな声を出してしまった妻の静江。
認知症という病は、本人にも介護する家族にも大きな混乱と不安をもたらします。様々な職種が連携しながらサポートする事が必要とされる認知症という病。
そのひとつの職種「作業療法」の観点から認知症の人が置かれている状況を「脳の障害」「環境」「人生史」で整理していきます。雨に濡れながらもしっかりと握りしめられていた二本の傘。その傘にはどのような想いが込められていたのでしょうか。認知症を患ってもなんら変わることのない人に寄せる思い、優しさに触れてみてください。