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平成27年度.第2回認知症初期集中支援チーム.研修会報告

「認知症初期集中支援チームの研修会を受けての感想」濱田慎也(大悟病院)

今回、吉備国際大学の京極真先生より他職種連携の質を高めるために信念対立解明アプローチを活用するコツについて、分かり易い事例やご自身の経験談などを交えながら詳しく説明していただきました。
私は、信念対立解明アプローチという聞き慣れない言葉とその内容に興味を持ち、この研修会に参加しました。講義は2時間でしたが、先生の楽しい語り口に引き込まれ、あっという間に終わった印象でした。

この講義は、信念対立は何なのかを理解した上で、信念対立解明アプローチの基本的な理論を理解し、具体的に使い方を考えていくという内容でした。
まず、信念対立と信念対立解明アプローチに関しては、信念対立はどんな工夫をしても避けて通ることは出来ない為、建設的な意見の交換が必要であるという内容でした。信念対立解明アプローチは、~自分自身の観念を排除し、今起こっている現象にだけ目を向ける。~お互いの状況と目的が違っていることが多いため、それをしっかりと整理する。この2つがポイントであると話されていました。私は、これを聞いて簡単なことだと感じた反面、実際に職場で使うとなると互いの関係性の問題もありなかなか難しいのではないかと感じました。

次に、チームワークに関しては、チームを構成するメリットとデメリットの話しがありました。チームを作る約半数が上手くいかず、しかも上手くいっていると思っているチームでも実力を70%程度しか発揮できていないそうです。医療現場では、他職種の連携によるチームを作ることが多いですが、その中でも上手く機能しているチームは少ないと感じます。私達の構成するチームが不毛な対立を排除し、建設的なものに変われば、スタッフが働きやすくなるだけでなく、患者様に高品質なケアを提供することにも繋がります。チームを構成するメンバーは、自分の中の観念に捕らわれず、常にその現象に目を向けて話しをする必要があると感じました。

最後に、患者様がOTに対して持つ信念対立や経験年数の違いで起こる信念対立の話しがありました。患者様はOTが何をする人か分からず、治療に関しても効果があるのか疑問に感じており、その思いは多くの場合ストレスに変わるそうです。OTは、そうならない為にしっかりとした信頼関係を作る必要があると感じました。また、セラピストは経験年数が多いほど信念対立を起こしやすく、新人はバーンアウトになりやすいそうです。良い職場環境を作る為には、お互いにその関係性を理解し、それを認識することが必要ではないかと思いました。

今回の研修は、私自身が今までの言動を再認識できる良い機会になりました。チーム内で他職種に対して意見することは難しい局面もありますが、今回勉強させて頂いたことを念頭に置きながら建設的な意見交換行っていきたいと思います。また、この研修の内容やそこで感じた思いを職場だけでなく関わりのある様々な人に伝えていきたいと考えています。

信念対立解明ツール
http://ai.sys.wakayama-u.ac.jp/belief/

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