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「報告」令和6年度認知症対応力向上研修

令和6年度認知症対応力向上研修を2月19日(水)19時よりZoomにて開催し、平日の夜にも関わらず、26名の参加がありました。今回は、日南市立中部病院の岩切良太先生、協和病院の佐野明美先生に講義して頂きました。

研修の流れは、事例提供者が対象の基本情報や経過、アセスメントの結果や解釈を提示し、それに基づいて、どのような介入方法があるのかグループワークを行い、まとめた意見を発表しました。その後、事例提供者から実際に行った介入方法やポイントを話して頂きました。

岩切先生には「事例からひも解く身体機能と認知症の関係とは(認知症初期集中支援の事例より)」について事例を通して紹介して頂きました。また、認知症の進行に合わせた支援のポイントについてもご講義いただきました。初期集中支援チームで関わった事例に対して、BPSDをどう捉えるのか、被害妄想はなぜ起こっているのか、この方の終着点やご家族への支援はどうするのかについてグループワークを行いました。BPSDの増長として、自己肯定感の低下や高次脳機能障害による生活遂行の障害があり、好きな料理ができないことで、不安に繋がってしまっているのではないか、身体機能低下もあるため、導線の確認や環境調整が必要、ご家族が認知症の対応がわからないため、対応方法や認知症への理解を深めてもらうなど様々な意見が出ました。実際の支援のポイントとして、高次脳機能による行為障害の評価を行い、具体的な援助方法をご家族に提案したこと、物理的環境の整備を行ったこと、本人が行いたいことを中心に置いた、生活行為向上リハを行ったこと、サービスにつなげることができ、身体機能の維持・向上ができたことなど紹介して頂きました。

 

 佐野先生には「認知症病棟で自宅への退院を支援した事例」について事例を通して紹介して頂きました。認知症治療病棟で関わった事例に対して、BPSDが出現・増悪している要因として何が考えられるのか、自宅での役割をどうするのか、自宅退院に繋げるにはどうするのか、ご家族の理解・協力をどう得ていくのかについてグループワークを行いました。

BPSDが出現・増悪している要因として、夜間の不眠があり、生活リズムの崩れも要因としてあるのではないか、家庭での役割がなくなり、自己肯定感の低下に繋がっているのではないか、ご家族が支援の方法がわかるようにサポートしていくことも必要ではないかなど様々な意見が出ました。実際の支援ポイントとして、夜間の不眠については、服薬の調整を行いながら、自宅で行う家事役割を想定して、病棟内で役割的活動を促していき、生活リズムを整える取り組みを行ったこと、退院後のデイサービスの利用を見据え、体操や散歩、調理活動などへの参加を促したことを紹介して頂きました。ご家族に対しては、心理的サポートを行うとともに、BPSDの対応や支援方法を説明したことなど紹介して頂きました。

2事例のグループワークを通して、参加者から様々な視点やアイデアも聞かれ、学びの多い研修となりました。また、他分野の意見交換の場にもなったと思います。私自身、認知症外来や初期集中支援チームに所属しており、認知症の方への対応やご家族への支援方法など学ぶことが多くありました。今回の講義では、実践例を通してBPSDへの対応や家族支援について理解を深めることができました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

日南市立中部病院 

リハビリテーション科 梅田真成

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