第2回となる延岡・日向ブロック研修会が、10月7日(金)19時よりオンラインにて開催されました。今回は「認知症がある人の意味ある作業の評価と介入」というテーマで、当県士会にて認知症対策担当理事をされております、協和病院の桜川淳也先生に講師を務めていただきました。研修会には19名のご参加があり、そのうち7名が他ブロックからのご参加で、認知症がある人の支援に対する関心の高さが窺えました。
講義では、1,認知症の人の作業療法の視点 2,認知症の人の意味ある作業の評価 3,意味ある作業との結びつきを支援するためのポイント の3つの内容でご講義いただきました。1,認知症の人の作業療法の視点では、日本における認知症の将来推計や認知症施策推進大綱について、また認知症の人の心理的ニーズを知ることができました。2,認知症の人の意味ある作業の評価では、認知症がある人はニーズを意識下、言語化できない場合がある為、生活ニーズを知る為の面接や観察、作業遂行などの複合的な評価が大切である事、またそのツールの紹介など事例を交えながらお話いただきました。3,意味ある作業との結びつきを支援するためのポイントでは、重症度別に介入のポイントや介護者への心理教育的支援の有効性についてお示しいただき、講義の中で紹介いただいた評価ツールを用いた事例紹介から、各生活行為への援助のポイントを分かりやすくご講義いただきました。
講義後の質疑応答では、コロナ禍の面会制限によりご家族からの情報収集が行いにくい状況の中、支援の質を落とさないよういかに情報収集を行うかという課題も見られました。
講義後のアンケートでは約80%の参加者の先生方に大変満足とご回答いただきました。以下に研修会の感想をご紹介します。
「認知症検査方法について、改めて勉強をします。ありがとうございました。」
「今後の臨床におけるヒントがたくさんあった為、活かしていきたいと思います。」
「認知症の患者様について、多方面からの情報収集や観察の重要性について改めて学ぶことができました。今回の講演で学んだことを、仕事の場で活かしていきます。」
「認知症の方と関わる機会は多いですが、なかなか細かな評価まで実施できていなかった為、とても勉強になりました。脳血管疾患や整形外科疾患で認知症を患っている方がいらっしゃいますが、運動に対して拒否傾向な方が多い印象にあります。その方にとって必要な生活行為を見極められるように今後の介入に繋げていければと思います。」
「今年度は、定期的に研修会が開催されるので日々の業務以外の刺激があり大変うれしいです。またよろしくお願いします。」
今回の研修会を通して、改めて知識を深めるきっかけや今後の臨床場面での参考になるような研修会となり、ブロック員一同大変嬉しく思います。今後も気軽に参加しやすいブロック研修、臨床の参考になるブロック研修が行えるようブロック員一同、企画運営に努めて参りますので、次回の延岡・日向ブロック研修会へのご参加お待ちしております。
延岡・日向ブロック
ブロック長 持永翔太