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令和3年度 認知症OTステップアップ研修の開催報告

 令和4年1月22日、ZOOMを用いて、令和3年度の「認知症OTステップアップ研修」をオンライン開催しました。今回は講師に鹿児島大学医学部保健学科教授の田平隆行先生をお招きし、「重症度に応じた認知症の作業療法」をテーマにご講義頂きました。

 内容として、認知・社会的フレイルの予防、認知症者のADLの特徴から始まり、生活行為の工程分析、生活行為工程分析に基づいた作業療法について、認知症に対する生活行為工程分析表(PADA-D)を用いて学ぶことが出来ました。PADA-Dに関しては、各工程の考え方や観察方法、生活行為の工程分析の視点に至るまで、演習を交えながら学習することで非常に解りやすく理解を深めることが出来ました。

 新オレンジプランでは、認知症の人に対するリハビリテーションについて、「実際に生活する場面を念頭に置きつつ、有する認知機能などの能力を見極め、これを最大に活かしながら、ADLやIADLの日常の生活を自立し継続できるよう推進する」とされています。認知機能に伴う生活行為障害の特徴を分析し、各生活行為の中でどのような工程が障害されやすく、どのような工程が残存しやすいかを明らかにすることは、最大限に活かすための介入の焦点化という観点からとても重要であることを気付きとして得ることが出来ました。実際に生活場面で感じている生活行為障害は、PADA-Dを用いることで整理でき明確化しやすく、更に多職種と共有しやすい側面もあると感じました。このことは参加者の声でも聞かれており、明日からの臨床や地域の中でも活かせる様々な視点を学ぶことが出来たと思います。

 認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現のためにも、今回の研修で学んだ視点やスキルを活かしていきたいと思います。

ラポール向洋 甲斐賢一

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