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平成28年度.第2回認知症初期集中支援チーム研修会報告

 今回の研修会では、4人の講師の先生方に「認知症初期集中支援チーム」について概要から事例検討まで実際の流れや取り組みを知る事が出来ました。

 講義では、初めに大悟病院の辻美和先生より「認知症初期集中支援チームの概要とチーム員の役割」について話して頂きました。なぜ認知症初期集中支援チームができたのかという部分を今後の認知症高齢者の推移から国の政策(新オレンジプラン)と流れに沿って説明して頂き、活動体制や初回訪問、アセスメントなどチーム員の役割や必要とされる事について学ぶことができました。これからの認知症ケアは、初期から早期診断・介入し、住み慣れた地域で穏やかな生活をいかに長く継続できるかという部分が重要になってくると説明を受けて改めて感じる事ができました。

 次に、協和病院の桜川淳也先生より「認知症総合アセスメントの考え方とツールの使用」について講義して頂きました。対象者の心身の状態や生活状況に関する情報収集を有効に行う事が出来る認知症アセスメント(DBD-13,J-ZBI8,DASC-21,身体の様子のチェック表)について、説明して頂きました。DASCでは、~認知機能と生活機能を総合的に評価する事が出来る~簡便で、短時間で実施できるなどのアセスメントの特徴や使用時に1.2と3.4の間にアンカーポイントを設定し目安にして評価するといった使用時のポイントまで詳しく教えて頂きました。また、講義の中で映像を見ながら実際にDASCを使用する場面もあり、実際に評価する事で評価方法やポイントを復習し、身につける事が出来る講義となりました。

 日南市立中部病院の岩切良太先生は「認知症初期集中支援における具体的活動」について講義をして下さいました。チームの活動内容についての説明や初回訪問時の注意点として、支援対象者の身体機能面の設問や好きなものについて話を広げると受け入れが良い傾向であるといった実際に訪問した時の話も交えながら聞く事ができ、訪問の様子をイメージしながら聞く事が出来ました。また、認知症施策推進会議の「ぽんかんの会」や地域の医療スタッフ向けの勉強会である「つわぶきの会」など日南市で行っている多くの認知症支援に医療人だけでなく地域の住民も巻き込んで取り組んでいる姿がとても印象に残る講義となりました。

 最後の講義では、九州保健福祉大学の小川敬之先生による「事例検討(グループワーク)」となりました。実際の事例を用いて事例検討を行いましたが、経験豊富な先生方の意見が飛び交うグループワークに改めて自分の未熟さや経験不足を痛感しました。しかし、普段は聞けない先生方の貴重な意見や事例の情報収集で必要な視点を学ぶことが出来ました。
研修会を通じて、実際に認知症初期集中支援チームで取り組んでいる先生方の話を聞く事でより理解が深まったと思います。自分が取り組むにはまだまだ未熟で尻込みしてしまいますが、今後の研修会等に参加し、自身も講師の先生方のような初期集中支援チームに参加できるOTになれるように精進していきたいと思いました。

橋本晃(大悟病院)

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